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こんにちは。

鈴木英語教室の鈴木です。

今日のトピックは助動詞その2です。

前回の講座で、助動詞の2つの主な役割は

1.動詞にプラスアルファの意味を加える

2.疑問文・否定文・受け身などを表す、とお伝えしました。

今回の講座では2つ目の、疑問文・否定文・受け身などを表す助動詞について解説していきます。それでは早速始めましょう。

この役割に使われる助動詞はdo・have・beの3つです。これら3つの動詞は通常の動詞としても使われますが、それとは別物として、助動詞のdo・have・beが存在すると考えてください。それぞれの違いを明確にするために、これらの助動詞はdo助動詞、have助動詞、be助動詞と呼びます。

では1つずつ順番に見ていきましょう。まずはdo助動詞です。

通常の動詞は、活用が5つありますが、do助動詞は、原形がdo、現在形がdoまたはdoes、過去形がdid、過去分詞形とing形はありません。do助動詞の主な役割は「疑問文を作る」「否定文を作る」「強調」の3つです。

では1つ目の「疑問文を作る」から見ていきましょう。

次の例文を見てください。

They study English. 彼らは英語を勉強する、という現在形の文です。

これを疑問文にするには、do助動詞を頭に付けて

Do they study English? となります。

このdo助動詞は現在形です。主語が3人称複数なのでdoesではなくてdoの方を使っています。またstudyという動詞は原形です。理由は、助動詞の後ろには動詞の原形がくるというルールがあるからです。

次の例文を見てください

Taro studies English.

主語が3人称単数形の現在形の文です。これを疑問文にする時は、

Does Taro study English? と、DoではなくDoesの方を使います。

今度は過去形の文も見てみましょう。

Taro studied English last night. 太郎は昨夜英語を勉強した、という文です。

この文を疑問文にするには、do助動詞の過去形「did」を頭に付けて、

Did Taro study English last night? となります。ここでもstudyは原形です。

この文の主語も3人称単数ですが、動詞にsがついていません。なぜなら動詞の「過去形」は、主語に関係なく1つの形しかないためです。

続いては、「否定文を作る」を見ていきましょう。

先ほどの例文、

They study English.

を否定文にするには、動詞の前にdo notあるいは短縮形のdon’tを付けて

They don’t study English. となります。

主語が3人称単数の

Taro studies English.

という文であれば否定文は、

Taro doesn’t study English. となります。そしてstudyという動詞はここでもやはり原形です。

Taro studied English last night.

という過去形の文の否定文は、

Taro didn’t study English last night. となります。Studyという動詞はもちろん原形です。

では続いてdo助動詞3つ目の役割の「強調」を見ていきましょう。

次の例文を見てください。

This pearl looks real. この真珠は本物に見える。という現在形の文です。動詞はlooksで「~に見える」という意味です。主語が3人称単数なので、動詞にsがついています。

これを、「この真珠は確かに本物に見える」と強調したい時は

This pearl dóes look real. ということが出来ます。先ほどの動詞looksの前に助動詞のdoesを付けています。こうすることで強調を表現することが出来ます。強調のdo助動詞はストレスを置いて強く読みます。動詞のlooksは強調の文ではlooksではなくlookになっています。

もう1つ例文を見てみましょう。

Come and see me again. これは友達やお客様などに、親しみを込めて、またお越しください、という表現です。この文は、形としては命令文で「come」および「see」という動詞は原形です。これは命令文における動詞は原形を使う、というルールがあるためです。

この文を強調して「是非またお越しください」と言いたい時は、

Do come and see me again. となります。

このdoはdo助動詞の原形です。「命令文における動詞は原形になる」というルールに基づきます。そして続く「come」と「see」も原形ですが、その理由は、先ほどの文では「命令文だから」でしたが、この文では「doという助動詞の後ろにあるから」となります。

ここまでdo助動詞についてみてきました。

続いてhave助動詞をみていきましょう。

have助動詞は、これまで見てきた助動詞と異なり、活用が5つ全てあります。

原形がhave、現在形がhaveまたはhas、過去形がhad、過去分詞形もhad、そしてing形がhavingです。

Have助動詞の役割は「完了形を作る」です。

次の例文を比較してみてください。

I study English.

I have studied English for 10 years.

上は「私は英語を勉強する」という現在形の文です。この文では、日常的に英語を勉強していることは伝えられますが、今現在までにどのくらい英語を勉強してきたのか、を表すことができません。そこでそのような時は下の文にあるように完了形を使います。すると「私はこれまでに10年間英語を勉強してきている」となり、時間軸を「点」としてではなく、「線」としてとらえることが出来ます。

例えばこの線が時間軸だとします。

左が過去で、右が未来、ここが今現在を示しています。

現在形というのは、今現在の「時点」を中心に、日常的というニュアンスなのでこの辺りを示しています。

それに対して完了形というのは、過去のある時点から今現在までのこの範囲を表現する方法です。「今現在のこの時点において、ここからここまでの行為や動作が完了している」ということを示しているのです。

この完了形の文の作り方は「have助動詞 + 動詞の過去分詞形」となります。

また、今の例は、今現在が基準になっていますが、過去のある時点を基準にしたい時には、have助動詞の過去形のhadを使い「had + 動詞の過去分詞形」にします。

少し複雑ですが、次の例文をご覧ください。

I had studied English for 6 years when I graduated from high school.

この文はwhenという接続詞から後ろが「私が高校を卒業した時」という意味で、全体としては、「私が高校を卒業した時点までに、6年間英語を勉強し続けていた」という意味になります。これを表現するために「had + 動詞の過去分詞形」を使っています。

ここまでhave助動詞の役割と使い方についてみてきました。

最後にbe助動詞をみていきましょう。

be助動詞も、活用が5つ全てあります。原形がbe、現在形がam、isまたはare、過去形がwasまたはwere、過去分詞形がbeen、そしてing形がbeingです。

be助動詞の役割は「進行形を作る」と「受け身を作る」です。

次の例文を比較してください。

I study English.

I am studying English now.

上は、私は英語を勉強します、という現在形の文です。

下は、私は今英語を勉強している最中です、という現在進行形の文です。

現在形の文は日常的に繰り返し行う行為を示すのに対し、進行形の文は、まさにその行為の最中である、あるいは一時的にその行為を行っている、ということを示しています。

進行形の文を作る時にbe助動詞を使います。

作り方は「be助動詞 + 動詞のing形」です。be助動詞の活用は、現在進行中のことであれば主語に合わせて、am、is、areを選びます。過去において進行中だったことを表現したい時は、wasまたはwereを選びます。

ここまでbe助動詞の1つめの役割を見てきました。

ここからはもう1つの役割、「受け身」を見ていきましょう。

次の例文を見てください。

Bob broke the window.

この文の動詞は「broke」で、「壊す」という意味の不規則動詞です。活用は原形がbreak、現在形はbreakまたはbreaks、過去形はbroke、過去分詞形はbroken、ing形はbreakingです。

つまりこの例文は過去形のbrokeを使っていますので、「ボブはその窓を壊した」、という意味になります。

この文はBobが主役の文ですが、the windowを主役にするとどうなるでしょうか。

つまり「その窓はボブによって壊された」と表現したい時です。

そんな時に使うのが「受け身」あるいは「受動態」とも呼ばれる文です。

The window was broken by Bob.

これで、「その窓は壊された」という受け身が表現できます。

ここでwasはbe助動詞です。後ろに動詞の過去分詞形のbrokenを付けることで「~される」という受け身を表現できるのです。 be助動詞が過去形のwasになっているのは、もともとの文がBob broke the window.とbrokeという過去形を使っている文なので、それに合わせて受け身の文でもbe助動詞の過去形を使っています。

以上、ここまで、do助動詞、have助動詞、be助動詞の役割およびその使い方を見てきました。

特に大事なポイントとしては、いつも講座の中で、「助動詞の後ろは動詞の原形がルール」とお伝えしていますが、実は今日学習した中で、have助動詞とbe助動詞については、後ろに原形は来ていませんでした。つまり「助動詞の後ろは動詞の原形」というルールには例外があるのです。

例外1「have助動詞の後ろに動詞の過去分詞形が来て「完了」を表す

例外2「be助動詞の時は、後ろに動詞のing形が来て「進行形」を表す」

または、「後ろに動詞の過去分詞形が来て受け身を表す」、ということになります。

以上、助動詞その2と題して、do助動詞、have助動詞、be助動詞についてみてきました。

今回の講座が参考になったなと思っていただけたら、グッドボタンやチャンネル登録をしていただけると嬉しいです。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

また次回の講座でお会いしましょう。