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こんにちは。

鈴木英語教室の鈴木です。

今日のトピックは助動詞です。

助動詞は動詞の1種で、動詞を助ける役割を果たします。助動詞の2つの主な役割は

1.動詞にプラスアルファの意味を加える

2.疑問文・否定文・受け身などを表す、です。

今回の講座では1つ目の、動詞にプラスアルファの意味を加える助動詞について解説していきます。

ポイントは3つあります。

それでは早速始めましょう。

まずは、プラスアルファの意味を加える助動詞にはどんなものがあるかを見てみましょう。

can, could, may, might, must, will, would, shall, should, ought to, used to, have to, dare, needがあります。could, might, would, shouldはそれぞれcan, may, will, shallの過去形です。通常の動詞には5つの活用がありますが、今日扱う助動詞は基本的に現在形と過去形しかありません。また主語の人称によって「S」を付けたりすることもありません。今日の講座ではこの中でも特に重要なcan, may, must, will, shouldにしぼって解説します。

では今日のポイントの1つ目、主観的な意味と、客観的な意味についてみていきましょう。。

まずは主観的な意味です。

1つめのcanは「~できる」という「能力」を表します。

続くmayは「~してもよい」という「許可」を表します。

mustは「~せねばならない」という「義務」を表します。

willは「~するつもりだ」という「意志未来」を表します。

最後のshouldは「~するべきだ」という「義務」を表します。

ではこれらを例文で見てみましょう。

基本の文は、Taro speaks English.で太郎は英語を話します、という文です。

ここにそれぞれの助動詞を加えると、

Taro can speak English. 太郎は英語を話すことができる。

Taro may speak English. 太郎は英語を話してもよい。

Taro must speak English. 太郎は英語を話さねばならない。

Taro will speak English. 太郎は英語を話すつもりだ。

Taro should speak English. 太郎は英語を話すべきだ。となります。

基本の文のspeaksという動詞が、助動詞を使った文ではspeakとなっていますが、これは助動詞の後ろには動詞の原形が来るというルールに基づいています。

ここで助動詞を使った文の疑問文と否定文の作り方も確認しておきましょう。

これらの文を疑問文にする際は、助動詞のDoやDoesの助けをかりる必要はありません。なぜなら、それぞれの助動詞自らが文の先頭に移動して疑問文を作れるからです。

すると上から

Can Taro speak English?

May Taro speak English?

Must Taro speak English?

Will Taro speak English?

Should Taro speak English? となります。

今度は否定文を作ってみましょう。

上から

Taro cannot speak English.

Taro may not speak English.

Taro must not speak English.

Taro will not speak English.

Taro should not speak English.

となります。ここでも助動詞のDoやdoesの助けを借りる必要はなく、助動詞の後ろにnotをつければ否定文がつくれます。cannotについてはこのように、canとnotの間にスペースを開けずにつなげて書くのが基本です。will notはよくwon’tと省略されるので注意しましょう。

ここまでが1つ目の主観的な意味です。では今度は客観的な意味を確認してみましょう。

Canは「~でありえる」という「可能性」を表します。

Mayは「~かもしれない」という「可能性」を表します。

Mustは「~に違いない」という「断定」を表します。

Willは「~だろう」という「単純未来」を表します。

最後のshouldは「~のはずだ」という「当然」を表します。

ではこれらを例文で見てみましょう。

基本の文は、It is easy.で「それは簡単です。」という文です。

ここにそれぞれの助動詞を加えると、

It can be easy. それは簡単であり得る

It may be easy. それは簡単であり得る

It must be easy. それは簡単に違いない

It will be easy. それは簡単だろう

It should be easy. それは簡単なはずだ となります。

先ほどの主観的な意味とは少しニュアンスが違いますよね。主観的な意味の方は、話し手の気持ちが反映されていましたが、こちらの客観的な意味の方は、少し距離をおいて冷静に状況判断しているような印象がありますよね。このように助動詞には大きく2つの意味がありますので、どちらの意味で使われているのかを意識して英語を読む必要があります。

ところで、It can be easy.とIt may be easy.はどちらも「あり得る」という「可能性」を示しているので紛らわしいですね。厳密にはcanは論理的可能性を示すのに対して、mayは周囲の状況から判断した可能性を示します。分かりやすい例文を挙げると、

The prices can go up again.

The prices may go up again.

上の文は、物価は(論理的には)また上がることがあり得る、という意味で、

下の文は、物価は(周囲の状況から判断すると)また上がるかもしれない、

という意味になりますが、実際にはここまで厳密に使い分けなくても問題ないと思います。

ではここから今日の2つ目のポイント、「助動詞には丁寧な表現がある」についてみていきましょう。次の例文をみてください。

Can you open the window? この文は「窓を開けることができますか?」と相手の能力を聞いているのではありません。「窓を開けてくれますか」と依頼をしている表現です。このようにcanは何かを依頼する時にも使います。

ここで次の例文と比較してみてください。

Could you open the window?

上の例文のcanを過去形のcouldに置き換えた文です。これも窓を開けてくれるように依頼をしている文ですが、canを過去形のcouldにすることで、「窓を開けていただけますか」という丁寧な表現になります。実は英語にも丁寧な表現というのは存在して、このように過去形を使うのはその1つになります。Can youの方は家族や友達には使えますが、それよりも遠い間柄の人に何かを頼む時は、Could youを使うのが基本になります。

続いては、こちらの例文をみてください。

Can I use this pen?

これは「このペンを使ってもいい?」という許可を求める表現になります。

では今回も次の例文と比較してみてください。

May I use this pen? 上の文のcanをmayに置き換えています。こちらも許可を求めているのですが、mayを使った文の方が丁寧な表現になります。使い分けの基準としては、先ほどと同様に極近しい中ならCan Iでもいいですが、そうでなければMay Iと丁寧な表現を使うのが基本です。

最後にもう一つ例文をみてください。

Will you open the window?

これは「窓を開けてもらえますか」という依頼の表現です。

では今回も次の例文と比較してみてください。

Would you open the window? 上の文のwillをwouldに置き換えています。

ここでもやはりwillの過去形のwouldを使うことで、より丁寧な表現になっています。

ただし、確かにWould you は丁寧ですが、この表現も近しい間柄で使う表現と考えられますので、そこまで近しい間柄でない人に依頼をする際は、

Could you open the window? のように、Couldを使う方が間違いないでしょう。

ここまで、今日の2つ目のポイントの、「助動詞には丁寧な表現がある」について確認してきました。

では最後に3つ目のポイント、「言い換えができる助動詞がある」についてみていきましょう。

次の例文を見てください。

Taro can speak English.

太郎は英語を話すことができる。という意味で、canは能力を示しています。

この様な場合には、

Taro is able to speak English.と言い換えることが出来ます。

では次の例文をみてください。

Taro must speak English.

太郎は英語を話さねばならない。という意味でmustは義務を表しています。

この様な場合には、

Taro has to speak English.と言い換えることが出来ます。

このhas toの発音は、has toと濁らずにhas toとなる点に注意が必要です。

主語が1人称や2人称、あるいは3人称複数であれば、have toとなります。こちらもhave toと濁りませんので合わせて覚えておきましょう。

ここでもう一つ注意点があります。

Taro must speak English.

の否定文は

Taro must not speak English.となり、太郎は英語を話してはいけない。という「禁止」の意味になります。

しかし、書き換えの

Taro has to speak English.を否定文にして

Taro doesn’t have to speak English.とすると、太郎は英語を話す必要がない、という意味になり、「禁止」の意味にはなりませんので、こちらも併せて覚えておきましょう。

最後にもう一つ例文を見てください。

Taro will speak English.

太郎は英語を話すつもりだ。という意味で「意志未来」を示しています。

この様な場合には、

Taro is going to speak English.と言い換えることが出来ます。

ただし、willとbe going toも厳密には違いがあります。

例えば、次の例文を見比べてください。

I will travel abroad.

I am going to travel abroad.

どちらも外国旅行をする、という意味ですが、willを使った文は、漠然と予定を語っている印象であるのに対して、be going toを使った文では、すでに具体的な計画があって、その準備をしている、という印象があります。

この辺りの違いも、慣れてきたらより適切な表現が使えるようになればよいと思います。

ここまで

助動詞の、主観的な意味と客観的な意味について、

助動詞の丁寧な表現について

そして助動詞の言い換え表現について、を解説してきました。

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本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。

また次回の講座でお会いしましょう。