英語の独学には文法は必須
英語を独学で学ぶにあたり、避けては通れないのが文法です。この記事では、「文法書にはざっくりとどんなことが書いてあるのか」を解説していきます。文法で学ぶ内容の全体像を頭に入れてから、実際の文法書に取り組むことで、途中で迷子になって挫折してしまうリスクが減らせると思います。文法書には多くの文法項目が記載されており、最初のページから最後のページまで読み通すのに1か月、2か月は普通にかかってしまいます。読んでいく毎に前の内容を忘れていってしまうということになってしまい、いったい今全体の中のどこにいるのか、が分からなくってしまい、結局「やっぱり文法はむずかしい。何か他のやり方を探してみよう」と挫折してしまう人は多いと思います。せっかく「よし文法書に取り組んでみよう」と決めたのに、それをやり抜くためのハードルが高くて挫折してしまうのはとても残念なことです。この記事では、このようにせっかく文法から取り組んでみようと心に決めた人が、しっかりと最後まで文法学習を終えられるように、ヒントになればとの目的で書いています。ぜひ頑張ってください。
文法項目の大体の意味を知る
ではいったいどうすれば、最後まで挫折しないで文法書を読破できるのでしょうか。答えは初めに文法の全体像を知ることだと思います。これから学習するそれぞれの文法項目にはどんなものがあり、それぞれのポイントはどんなことなのか、ということをざっくりでも知っておくことで、学ぶ際に目的意識を持つことが出来るようになり、「いったい自分は文法学習全体のどこにいるのか?」と迷子になってしまうことがなくなると思います。では早速文法項目の概要をいっしょに見ていきましょう。
文法項目概要
本屋さんに行くと文法書だけでも非常にたくさんあり、どれを選んでいいのか迷ってしまうと思います。しかしどの文法書も多少の違いはあっても重要な文法項目は共通しています。以下をご覧ください。
- 文
- 品詞
- 基本の文型
- 時制
- 助動詞
- 受動態
- 不定詞
- 動名詞
- 分詞
- 関係詞
- 比較
- 仮定法
- 分詞構文
いかがですか。思ったより多いと感じましたか、それとも少ないと感じましたか。これはあくまで大分類ですので、それぞれの項目に中分類・小分類と続きます。しかし大事なことは、まずは、大分類、あるいは中分類についてどんなことを学習するのかのイメージを持っておくことです。それぞれの項目の詳細については実際に文法書に取り組む中で確認していくようにしてください。では早速ひとつずつ見ていきましょう。
文
文について知っておくべき一番大事な点は、英語は 主語 + 動詞 で文になる、ということです。次の例文をご覧ください。
I swim.
とても短いですが、私は泳ぐ、というきちんとした英語の文章です。主語+動詞の順番になっていると思います。これが英語の文の基本形になります。
ではもう一つ例文を見てみましょう。今度の例文は目的語がついています。
I have a pen.
私は1本のペンを持っている。という意味の文です。主語+動詞は I haveのところです。私は持っている、という意味ですが、私は持っている、というと聞いている方からすると、何を?と質問したくなりますね。この何を?に答えるのが目的語です。この文の場合は a penがその目的語になります。
このように動詞の種類によって、swimのように目的語が必要なかったり、haveのように目的語が必要だったりするのです。目的語を必要とする動詞の場合は目的語を動詞のすぐ後ろに置くというルールがあるので、haveのすぐ後にa penと書いているのです。
I have a pen.
の例文と日本語訳をもう一度みてください。私は1本のペンを持っている。
日本語と英語では、動詞と目的語の位置関係が逆になっていますね。これがポイントです。日本語では、目的語が先に来ますが、英語はとにかく、主語+動詞が先、目的語は動詞の後、と覚えておきましょう。
英語はとにかく主語が1番先で、次に動詞がくる。これを理解できていればまずは文の項目はOKです。
品詞
① すべての英単語は品詞という属性をもっています。
② 品詞は全部で10種類あります。
③ その中でも特に重要な4つの品詞についてまずは理解しよう
⑤ 理解すべき4つの品詞は、名詞・動詞・形容詞・副詞です。
名詞
- 名詞というのは、人の名前や、モノや概念を表す語のことです。
- 名詞は文の中では、主語になったり、動詞の目的語になったり、補語になったり、前置詞の目的語になったりします。逆に言うと、名詞はこれら4つ以外の働きはしません。補語や前置詞の目的語など、あまり聞きなれない用語が出てきましたが、現時点では深く考えずに、名詞にはそんな役割があるんだな、ということだけを知っておけばOKです。
- 名詞の単語をいくつか紹介
Taro, Japan, earth, Mt Fuji, dog, school, goal, etc.
動詞
動詞は人や事物の動作・状態・性質などについて述べる語のことです。
動詞には活用と言って5つの形があります。原形・現在形・過去形・過去分詞形・ing形です。それぞれ表したい内容によってこれらの形を使い分けます。「行く」という意味の動詞「go」を例にして5つの活用を見てみましょう。
原形は「go」です。原形というのはその動詞の基本形と思っていただけたらよいと思います。
続いて現在形は「go」または「goes」です。現在形は2つの形があり、主語によってどちらを使うかが決まります。主語が3人称で単数の時は「goes」を使い、それ以外、つまり主語が1人称(Iまたはwe)、2人称(you)、または3人称複数(they, Taro and Hanako, the dogs, some booksなどなど限りなくあります)の時は「go」を使います。
続いて過去形は「went」です。
次の過去分詞形は「gone」です。
最後のing形は「going」となります。
「go」という動詞は不規則動詞と呼ばれます。何が不規則かというと、過去形と過去分詞形の形が不規則という意味です。例えばlook(みる)という動詞の場合、過去形はlookedで過去分詞形もlookedになります。つまり動詞の原形lookにedを付けることで過去形と過去分詞形なると規則的に決まっているのです。大半の動詞はこのように規則動詞なので、原形を覚えておけば、過去形や過去分詞形の形はすぐに作れるのですが、不規則動詞はひとつひとつ覚えていくしかありません。
また特徴としては、日常生活でよく使われる動詞ほどこの不規則動詞の場合が多いので、しっかり覚えるようにしましょう。英文を作る際は、自分が作りたい文章の内容に合わせて動詞も5つの活用から適切な形を選んで使うことになります。どのような時にどの形の動詞を使うか、ということを意識して学習するとより理解が深まります。まずは、ここでは動詞には5つの形があるということを覚えておいてください。
また活用とは別の概念で、動詞は自動詞と他動詞という概念があります。
自動詞というのは、先ほど文の項目の例文でしめした、I swim.という文のswimです。swimというのは「泳ぐ」という意味ですから、「何を」という目的語をとりません。「何を泳ぐ」とは言いませんよね。
それに対して他動詞というのは、先ほどの例文で示した、I have a pen.という文のhaveです。haveというのは「~を持っている」という意味ですから、「何を」という目的語が必要です。例文では目的語はa penです。
動詞の単語をいくつか紹介
run, swim, study, walk, eat, drink, etc.
形容詞
形容詞は名詞を修飾する語のことです。どんな名詞なのかをより詳しく説明するための語です。
名詞の前において直接名詞を修飾する場合と、主語+動詞+形容詞という形で、動詞を挟んで主語である名詞を説明する場合の2つの場合があります。
1つ目の例としては、a big dogのbigというのは、dogという名詞の前において、どんなdogなのかを説明しています。
2つ目の例としては、He is tall.という文で、動詞のisをはさんで、その前にある主語である名詞の彼がどんな人なのかを説明しています。
形容詞の働きは何ですか?と聞かれたらこれら2つの働きが答えられれば形容詞の基本は理解したことになります。
形容詞の単語をいくつか紹介
big, small, red, blue, beautiful, tall, heavy, etc.
副詞
副詞は、動詞・形容詞・他の副詞・文を修飾する語です。
副詞という言葉はほとんど使うことがないので、どういうものかがイメージしづらいと思います。例文で確認してみましょう。
I write a letter neatly.
この文章は、「私はきれいに手紙を書きます。」という意味です。neatlyというのが「きれいに」という意味の副詞です。この文の中で「きれいに」という言葉は、どのように書くのかを説明しています。つまり「書く」という動詞を修飾しています。動詞を修飾しているので副詞ということになります。
これに対して次の例文を見てみましょう。
I write a neat letter.
この文章は「わたしはきれいな手紙を書く」という意味です。neatというのが「きれいな」という意味の形容詞です。この文の中で「きれいな」という言葉は「手紙」という名詞を修飾しているので形容詞ということになります。
形容詞と副詞の違いを理解することが副詞を理解する第1歩です。
基本の文型
この項目では基本の文型を確認します。ところで世の中にはいったいどれくらいの英文が存在するのでしょうか。新聞、雑誌、インターネット、手紙、e-mailとあらゆるところに無数に存在しますね。ところでこれら無数に存在するすべての英文は、実はよくよく見てみるとたったの5つのパターンのどれかで書かれているとしたらちょっと驚きではないですか。基本の文型はこの5つのパターンを説明したものです。
このパターンのことを文法用語では文章の型なので文型と呼びます。第1文型、第2文型のように第5文型まであります。では1つずつどんな特徴があるのか見てみましょう。
第1文型
I swim.
これが第1文型の例文です。他にも
I run.
や
I walk.
などいろいろあります。これらに共通するのは、「主語+動詞」という構造になっている点です。このように主語と動詞だけで完成している英文を第1文型と呼びます。
第2文型
He is a teacher.
これが第2文型の例文です。他にも
My dog is big.
や
This is a pen.
などいろいろあります。これらに共通するのは、「主語+動詞+主語を説明する言葉」という構造になっていることです。例えばHe is a teacher.という文のa teacherというのは、主語のHeがどんな人なのかを説明している名詞です。また2つ目のMy dog is big.という文のbigというのは、主語のMy dogがどんな犬なのかを説明している形容詞です。
このように主語を説明する語を動詞の後ろにおいたのが第2文型です。ここでのポイントは主語を説明する語は「名詞」か「形容詞」のどちらかに限定されるという点です。このように英文法というのは品詞の概念が根底にあるので、品詞の理解がとても重要になります。
第3文型
I like apples.
これが第3文型の例文です。他に
I study English.
や
You sing songs.
などいろいろあります。これらに共通するのは、「主語+動詞+動詞の目的語」という構造になっていることです。動詞の目的語という言葉が出てきましたので説明します。先ほど動詞の説明の際に、動詞には自動詞と他動詞という概念があると話しました。例えばhaveという動詞の場合「~を持っている」という意味になります。つまりhaveには「~を」にあたる目的語を付ける必要があるということになります。例えばI have a pen.という文のa penが動詞の目的語ということになります。第3文型はこのように目的語をとる動詞の文型と考えればよいのです。上に列挙した例文3つもよく見るとどれも「何を」に答える動詞の目的語がついているのが分かります(apples, English, songsがそれぞれの動詞の目的語です)。
ここで、「あれ、第2文型は主語+動詞+名詞または主語+動詞+名詞で、第3文型は主語+動詞+名詞ということは、第2文型が主語+動詞+名詞の場合は、第2文型と第3文型が同じ形になってしまうのでは?」と疑問に思った方はかなり文法のセンスがあります。確かに主語+動詞+名詞の構造が同じになる時がありますね。しかしこの2つの文型には明確な違いがあります。
第2文型の主語と名詞の関係は、イコールの関係になっていますね。先ほどのHe is a teacher.という例文の主語のHeと名詞のa teacherはイコールの関係ですね。
それに対して、第3文型の主語と名詞の関係は、イコールの関係になりません。先ほどのI like apples.という例文の主語のIと名詞のapplesはまったくの別物ですよね。このように主語と名詞の関係を考えると第2文型か第3文型かを見分けることが出来ます。
第4文型
Hanako gave me a present.
これが第4文型の例文です。他に
We showed her some pictures.
や
They awarded him a prize.
などいろいろあります。これらに共通するのは、「主語+動詞+動詞の目的語+動詞の目的語」という構造になっていることです。第3文型の構造に似ていますが、第3文型よりも1つ動詞の目的語が多くて、2つの動詞の目的語がついています。
Hanako game me a present.の例文で動詞の目的語はmeとa presentの2つです。1つ目の動詞の目的語は通常は人が入り「~に」と訳します。そして2つ目の動詞の目的語は通常モノが入り「~を」と訳します。動詞の後ろに名詞が2つも並んでいるとちょっと焦りますが、第4文型に使われる動詞の数は限られていますので、主なものは事前にある程度覚えておくと安心です。
第5文型
She makes me happy.
これが第5文型の例文です。他に
Taro named his dog Pochi.
や
He painted the fence white.
などいろいろあります。これらに共通するのは、「主語+動詞+動詞の目的語+動詞の目的語を説明する言葉」という構造になっていることです。例えば最初の例文のShe makes me happy.の動詞の目的語はmeです。そしてhappyという語はmeの状態を説明しています。2つ目の例文のTaro named his dog Pochi.の動詞の目的語はhis dogです。そしてPochiというのはhis dogはPochiであるということを説明しています。
ここで少し第2文型の構造を思い出してみてください。第2文型は「主語+動詞+主語を説明する言葉」という構造になっていました。例文としてはHe is a teacher.やMy dog is big.などがあり、どちらも動詞の右側の語が主語を説明する関係になっていました。これと同じような関係が第5文型にもあるのです。ただし第5文型では、主語を説明するのではなく、動詞の目的語を説明する関係になっています。第5文型の例文の動詞の目的語の右側にある語は、それぞれhappy、Pochi、whiteでした。Happyとwhiteは形容詞でPochiは名詞です。これらの語は、それぞれの文の動詞の目的語、つまりme、his dog、the fenceの状態を説明していたり、名前を示していたりします。大きな意味で動詞の目的語の説明をしているという関係になります。
第5文型の文章が、実際に本などを読んでいるときに一番構造が取りづらく難しい文型になります。ただしこれも第4文型と同様に第5文型に使われる動詞の数も限られていますので、主なものは事前にある程度覚えておくと安心です。
時制
時制という言葉は普段あまり使わないですよね。英文法にでてくる時制というのは、ある英文が示しているのはいつの話なのか、ということを示す概念です。今の話なのか、過去の話なのか、これから先の話なのか、これらを示すのが時制です。時制について覚えておきたいのは次の5つです。
- 現在形
- 現在進行形
- 過去形
- 現在完了形
- 未来表現
ここではひとつひとつの文法を細かく見ていくというよりは、それぞれの概念が本質的に何を示しているのかについて説明します。次の図を見ながら説明を読んでいただくとより理解しやすいと思います。
図の下の方をみると赤い矢印があります。これが時の流れを示しています。左が過去で右に向かった時間が進んでいるという感じです。そして黄色の矢印が今現在を示しています。まずは緑色の四角の現在形と、その中にある青い四角の現在進行形について説明します。
現在形の英文を見てください
I study English.
これは現在形の文章です。今度は現在進行形の英文を見てください。
I am studying English.
どちらも「現在」という言葉がついているし、なんとなく英文の内容も似ているし、すごく紛らわしいなと思う人も多いと思います。でも実はこの2つの英文は決定的な違いがあるんです。この違いを知ると、もう二度と現在形と現在進行形が似ていて紛らわしいと思わなくなると思います。まず現在形のI study English.ですが、現在形というのはstudyという動詞の形が現在形ということですが、現在形が意味することというのは、「普段日常的に行っている、あるいは行われている行為」ということです。つまりこのI study English.と言えば、私は普段から日常的に英語の勉強をしているということを意味しています。それに対して現在進行形は「一時的に正に今この時に行っている行為」ということです。例文のI am studying English.というのは、今この瞬間に私は英語の勉強をしている、ということを意味しています。しかしだからといって普段英語を勉強しているかどうかについては何も言っていません。つまり普段はまったく英語の勉強などせず、今はテスト前でいやいや勉強をしている最中ということがありえるのです。いかがでしょうか。現在形と現在進行形の意味することの違いが少し感じられたでしょうか。先ほどの図もそれを意味しています。
では今度は過去形と現在完了形について説明します。まずは過去形の英文を見てください。
I lost my watch.
この英文のlostのいうのはloose(~をなくす)という動詞の過去形です。私は腕時計をなくした、という意味になります。では今度は現在完了形の英文を見てください。
I have lost my watch.
現在完了形の英文というのは、このようにhaveが動詞の前につく形です。そしてここが大事なのですが、haveの後ろにある動詞の形は過去分詞形です。これも文法用語で分かりづらいのですが、looseという動詞は、過去形がlostで過去分詞形もlostです。つまり過去形と過去分詞形が全く同じ形をしている動詞になります。動詞の種類によって過去形と過去分詞形の形がlooseのように同じだったり、違う形だったりします。ではこの過去形のI lost my watch.と現在完了形のI have lost my watch.を比較してみましょう。どちらも時計をなくした、と言っているのでどっちでも同じような気がしますね。ところがこの2つの英文は意味するところが決定的に違っているのです。まず過去形のI lost my watch.というのは、たんに「私は過去に時計をなくした」といっているのです。つまりその後誰かが拾ってくれて交番に届けてくれていまは無事にその時計を使っているかもしれません。それはこの過去形の文章からは分からないのです。それに対して、現在完了形のI have lost my watch.というのは、「私は過去に時計をなくした。そしてその状態が今も続いている」ということをいっているのです。つまりその後も時計は見つかっておらず、現在なくなったままである、ということを意味しているのです。いかがでしょうか。過去形と現在完了形の意味することの違いが少し感じられたでしょうか。先ほどの図もそれを意味しています。
今説明してきた4つの時制(現在形、現在進行形、過去形、現在完了形)に関する本質的な意味をしっているだけで、今後文法学習に本格的に取り組んだときに、理解がしやすくなると思います。先ほどの図の中には未来形というのが入っていますが、実はこれは今説明してきた4つの時制のように動詞の形が時制を決めるというものではなく、動詞に未来形というものは存在しないので、少し概念が違います。現時点では、助動詞のwillやbe going toやshouldなどを動詞の前につけることで未来について説明することができる、と考えておけばよいかと思います。
助動詞
ここでは助動詞の説明をします。助動詞というのはその名前からも想像がつくように動詞を助ける働きをします。動詞を助けるとはどんな意味でしょうか。助け方にはいろいろありますので、その内のひとつをご紹介します。もしあなたが友達になにか相談事を受けていてアドバイスをすることになったとします。そのアドバイスによってその友達の悩みは解決するかもしれません。しかし100%解決するかどうかは分かりません。その際に、もし解決するという意味の動詞を使って、This advice solves your problem.と言ったとすると、このアドバイスであなたの問題は解決する。と事実として述べている感じになります。でも実際にはそのアドバイスによって問題が解決するかもしれないし解決できないかもしれないとしたらどうでしょうか。解決しない可能性も相手に伝えたいと思いますよね。その時にあなたが思う問題解決の可能性のニュアンスを助動詞によって付け加えることが可能になるのです。
例えばほぼ間違いなく問題解決できるだろうと確信に近ければ、This advice must solve your problem.と言えばよいし、もし50%くらいの確信しかなければThis advice may solve your problem.ということもできます。もしあまり確信がなく、やらないよりはやった方がまし、くらいのアドバイスであれば、This advice might solve your problem.といった具合に、あなたの確信度合いを動詞に付け加えることが出来るのです。これが助動詞の大きな役割のひとつです。このような役割が助動詞にはあるんだ、と理解した上で文法学習を進めることで、より理解が深まると思います。
受動態
受動態というのは、英文の形のひとつで受け身とも呼ばれます。日本語で言うところの「~される」という形の文章です。例文をみて確認してみましょう。
Taro broke the window.
この文章の動詞はbrokeです。これはbreak(~を壊す)という動詞の過去形です。意味は、太郎はその窓を壊した、となります。この文章の主語はTaroですが、主語を窓にして、その窓は太郎に壊された、という受け身の文章に変更してみましょう。英語の文章の基本は主語+動詞ですので、まずは主語のThe windowがきます。次に動詞ですが、単にbrokeをおいてしまうと、その窓が壊した、となってしまい意味がおかしくなってしまいます。受け身の文章を作る時は、助動詞の助けをかります。ここで使う助動詞はbe助動詞です。be助動詞+動詞の過去分詞形とすることで、受け身の文章ができます。breakという動詞は不規則動詞です。過去形はbrokeでしたが、過去分詞形はbrokenとなります。すると受け身の文章は
The window was broken by Taro.
となります。最後のby Taroというのは、「太郎によって」という表現になります。またbe助動詞のところにbeではなく、wasが入っていますが、これは主語が3人称単数の時のbe助動詞の過去形の形になります。動詞の説明の中で、動詞には5つの形(活用)があると言いましたが、助動詞にも活用があるのです。
S+Vの基本ルールの説明
ここまで読んでいただきありがとうございます。またお疲れ様でした。この後の文法項目に進む前に、ここで英語の文章の基本ルールについて説明したいと思います。とても重要なポイントですので、最後まで読んでいただけますと幸いです。
まず英語の文章の基本は主語+動詞です。まず主語が来て次に動詞が来ます。
英語の文章は最初の1文字が大文字で始まり、残りは小文字になります。そして文章の最後にピリオド「.」をつければ英文の完成です。
疑問文や感嘆文の場合は、最後はピリオド「.」の替わりに、クエスチョンマーク「?」やエクスクラメーションマーク「!」、所謂ビックリマークで終わります。
文章の最初の1文字以外に大文字を使う場合がいくつかあります。主には以下になりますので覚えておきましょう。
① 人の名前、国名、都市名、公園の名前など
② 私を意味する「I」は文章のどこにあっても大文字です
③ 1月2月など月;January, Februaryなど
④ 月曜日、火曜日などの曜日;Monday, Tuesdayなど
1つの英文の中には主語と動詞が1つずつ存在する。
勝手に動詞を2つ並べたりしてはいけない。
勝手に主語+動詞を2セット並べたりしてはいけない。
勝手に主語を2つ並べたりしてはいけない。
上記を2つ並べるためには、間にandやbutといった接続詞と呼ばれる単語を挟む必要がある。
andやbutといった接続詞を挟む以外にも動詞を2つ以上使ったり、主語+動詞を2セット、3セットと一つの文章に入れたりする方法はある。この方法を学ぶのがこの後の文法項目になります。
以上、とても大事なルールですのでしっかりと覚えるようにしましょう。
不定詞
ここから学ぶ3つの項目(不定詞・動名詞・分詞)は,準動詞と呼ばれます。準動詞というのは簡単に言うと、もともとは動詞だったけれど、少し形を変えることで本来の動詞の働きをしつつ、英文の中では名詞、形容詞あるいは副詞としての働きをするもの、となります。
ちょっとややこしい説明になってしまったので、早速例文で見てみましょう。
I like apples.
私はリンゴが好きだという意味ですが、この英文は主語と動詞が1つずつあるきちんとした文章ですね。ではこちらの例文はどうでしょうか。
I like play tennis.
私はテニスをするのが好きだ、という文章を作りたいのですが、この文章はきちんとしているでしょうか。実はこれは文法的に間違っています。1つ前のS+Vのルールの説明を覚えているでしょうか。その中に、「勝手に動詞を2つ並べたりしてはいけない」というのがありました。今回の例文をみると、like(~を好む)という動詞とplay(~をする)という動詞が2つ並んでいますね。これはルール違反です。では次の英文はどうでしょうか。
I like to play tennis.
これも動詞が2つ並んでいますね。でもこちらの英文はルール違反ではありません。これはどういうことでしょうか。これはplayという動詞の前にtoという単語がついています。この動詞の前にtoを付けてto playのような形になっているものを不定詞と呼びます。このように動詞の前にtoをつけることで、実はplayという単語が動詞から名詞に変化しているのです。この例文の訳は、私はテニスをすることが好きです。となります。つまりplayという単語が本来動詞で「~する」という意味だったのが、to playと前にtoをつけることで「~すること」という意味になり、名詞に変化したのです。名詞に変化はしましたが、もともとの「~する」の動詞としての意味も残しているのです。このように動詞の意味を残しながら、名詞に変化させることで英語のルールにも違反しないようにしているのです。
実は今回説明しました不定詞が名詞の働きをするものを不定詞の名詞的用法と呼びます。他に不定詞の形容詞的用法と不定詞の副詞的用法があります。読んで字のごとくで、それぞれ不定詞が形容詞または副詞の働きをします。このように不定詞というのは、動詞の意味を残したまま他の品詞として文の中で使いたい時に使う方法と覚えておけばよいと思います。詳しくは文法書で学習していきましょう。
動名詞
動名詞も前の不定詞の項目で学習した準動詞の1つです。動名詞というのは、もともとは動詞でしたが、ingをつけることで、動詞の意味を残したまま名詞に変化したものです。早速例文を見てみましょう。
I like playing tennis.
私はテニスをすることが好きです。不定詞のところでも似たような例文をみましたが、基本的には不定詞が名詞に変化したものと考え方は同じです。動詞にingをつけることで、「~すること」という意味になり、品詞が動詞から名詞に変化します。名詞ですから文章の主語にもなれます。例えば、
Playing tennis is fun.
とすれば、テニスをすることは楽しい。という文章になります。これは不定詞でも同様で、
To play tennis is fun.
とすれば同じくテニスをすることは楽しい、という意味の文章になります。
分詞
分詞はなかなか奥が深く説明も難しいのですが、まずはざっくりとした意味合いを確認していこうと思います。分詞には現在分詞と過去分詞の2つがあります。名前に現在や過去とついていますが、時制の現在形や過去形とはまったく関係がありません。みなさん、動詞の項目で活用について学習したのを覚えていますか。動詞には5つの活用がありそれぞれ原形、現在形、過去形、過去分詞形、ing形となっていました。分詞というのは、この中の過去分詞形とing形の形になった時に本来の動詞の意味を持ちながら形容詞として英文の中で働くもの、と覚えておいてください。実際には他にも分詞の役割はあるのですが、複雑になってしまうので、ここではその中の1つの大きな役割のみの説明としていますのでご承知おきください。
では早速例文で分詞が形容詞として使われている様子を確認してみましょう。まずは現在分詞(ing形)を使った例文です。
Look at the boy running in the park.
この英文の中でrunningが現在分詞で、この英文の中で形容詞として働いています。この英文の意味は、公園で走っている少年を見て。となります。もともとはLook at the boy.という英文で、あの少年をみて、という文章でした。あの少年と言われても、何人も少年もいるので、どの少年のことか聞き手が分かりやすいようにもう少し説明を加えているのです。The boyという名詞にrunning in the parkという語をつけることで、公園を走っている少年、という意味になります。つまりrunning in the parkはthe boyという名詞をより詳しく説明しているのです。名詞をより詳しく説明する品詞は形容詞と呼ばれますので、ここでrunning in the parkは形容詞の働きをしていると言えます。これが現在分詞の大きな役割の1つです。現在分詞には他にも役割があるのですが、それらについてはみなさんが文法書で学んでいただけたらと思いますが、残りの役割の名前だけ挙げておくと、文を進行形にする役割と副詞としての働きです。この副詞としての働きは分詞構文と呼ばれ、最後の文法項目の中で少し説明をしていますので、そちらも併せて読んでいただけたらと思います。
さてここまで分詞の内、現在分詞の説明をしてきましたので、今後の残りの過去分詞について説明します。こちらも例文を見てみましょう。
This is a book written in English.
この英文の中でwrittenが過去分詞です。これはwrite(書く)という意味の動詞の過去分詞形です。Writeの活用を確認しておくと、原形がwrite、現在形がwriteまたはwrites、過去形がwrote、過去分詞形が今見たwrittenでing形がwritingです。このing形が現在分詞としても使われます。
さて話を例文に戻しましょう。この例文の訳は、これは英語で書かれた本です、となります。もともとはThis is a book.という英文で、これは本です、という文章でした。これは本です、と言われてもどんな本なのか聞き手にもう少し情報を伝えるために説明を加えているのです。A bookという名詞にwritten in Englishという語をつけることで、英語で書かれた本、という意味になります。つまりwritten in Englishはa bookという名詞をより詳しく説明しているのです。名詞をより詳しく説明する品詞は形容詞と呼ばれますので、ここでwritten in Englishは形容詞の働きをしていると言えます。これが過去分詞の大きな役割のひとつです。過去分詞には全部で4つの役割があります。受動態を作る、完了形を作る、分詞構文を作る、そして今回の形容詞を作る、です。受動態と現在完了形の説明で簡単にですが、過去分詞形について触れていますので、再度読み返していただけたらと存じます。また分詞構文につきましては、あとの項目となりますので、後ほど説明いたします。
ここまで、分詞について現在分詞と過去分詞のそれぞれの例文を使って形容詞としての働きを見てきました。分詞は特に奥が深いですので、ぜひ文法書で深く勉強してみてください。
関係詞
関係詞についてみていきたいと思います。関係詞には大きく関係代名詞と関係副詞があります。ここでは関係代名詞にしぼって説明をしたいと思います。関係代名詞と聞くと、なんだかとても難しいイメージがありますよね。役割で考えるとすっきりすると思います。関係代名詞を一言で言うと、形容詞として名詞を修飾するもの、となります。こう聞くと、これまでも現在分詞や過去分詞の名詞を修飾していましたので、少しイメージしやすいのではないでしょうか。ではどこが他の形容詞と違うか、ですが、それは関係代名詞は主語+動詞のような文が名詞を修飾している点です。早速例文で見てみましょう。
似たような例文ばかりで恐縮ですが、次の例文を見てください。This is a book.これは1冊の本です。という意味です。これでも英文として十分成り立っていますが、聞き手に対してもう少し本についての情報を加えたいとします。過去分詞の例文では英語で書かれた本と説明するのにwritten in Englishを加えましたね。今回は、これは私が昨日買った本です、と伝えたいとします。このように文章として名詞を修飾するときに使うのが関係代名詞です。例文は
This is a book which I bought yesterday.
となります。この文章の中でwhichが関係代名詞で、which I bought yesterday全体が、関係代名詞が導く節となります。節というのは主語と動詞の入った文のことを指します。
では詳しく見ていきましょう。この文章は2つの文から成り立っています。1つは
This is a book.
でもう一つは
I bought a book yesterday.
です。1つ目の文章のa bookをもう少し詳しく説明するために2つ目の文を加えるのです。その際に、単純な方法としては、andで2つの文をつなげることです。
This is a book, and I bought the book yesterday.
これでも全く問題ないのですが、この2つの文には同じ要素、つまりa bookが両方に入ってしまっていてちょっとくどい感じがしますね。そこでこの繰り返しを避けたすっきりした説明をするのに関係代名詞を使うのです。方法は次の通りです。
① 2つ目の文から繰り返しの単語を省きます(the book)
② 2つ目の文はa bookを省いていて、1つ目のa bookを説明していることが分かるように目印の関係代名詞whichを2つ目の説明している文の冒頭につけます。
③ This is a book which I bought yesterday.となり関係代名詞を使った文章の完成です。
いかがでしたでしょうか。関係代名詞の働き自体はそこまで難しいものではないと感じられたのではないでしょうか。実際の英文の中では、2つ目の文で説明する1つ目の文の名詞が、人だったりモノだったりします。また2つ目の文の中で主語だったり目的語だったりします。そのような状況でも迷わないように、関係代名詞はそれぞれの場合でwhich以外にもwho、whose、whom、thatなどを使い分けていくわけです。これらをいつどういう時にどれを使うのか、どのように使うのか、などについて文法書にて深く勉強していってください。
比較
ここでは比較について説明したいと思います。何かを比較するということは、2つあるいはそれ以上のものの状態や程度などを比べるということです。高い・低いや速く・遅く、などについて比べるわけです。高い・低いというのは形容詞の話です。また速く・遅くというのは副詞の話です(品詞の項目をご参照ください)。つまり比較というのは形容詞および副詞を比較する概念です。ここでは「背が高い」という形容詞を例にとって説明していきます。
比較表現には以下の3つの方法があります。
① 2人を比べて背が同じくらいと表現する方法
② 2人を比べてどちらかがより背が高いと表現する方法
③ 3人以上を比べて1人が最も背が高いと表現する方法
ではひとつひとつの表現方法を確認していきましょう。①の2人を比べて背が同じくらいと表現する方法は「原級」と呼ばれています。例文としては、
Taro is as tall as John.
太郎はジョンと同じくらいの背丈です。となります。まずは元の文を考えてみましょう。
Taro is tall.
太郎は背が高いという意味の文章です。主語のTaroを補語のtallという形容詞が説明しています。ではここにJohnと登場させて2人の背丈が同じくらいという表現にしてみましょう。同じくらいという時は、形容詞の前にasという接続詞をおいてTaro is as tallとして、形容詞をもう一つのasで挟みます。最後に比べる相手をつければTaro is as tall as John.となります。ここでのポイントは2人を比べていますがtallという形容詞は通常の形のまま、つまり「原級」を使うという点です。
続いて2つ目の表現を見ていきましょう。2つ目は比較級を使った表現で、2人の内どちらかの方が、背が高いという表現になります。例文は
Taro is taller than John.
です。太郎はジョンよりも背が高いです。という意味です。この文の作り方は、もともとのTaro is tall.という文の形容詞tallを比較級にします。形容詞を比較級にするには後ろに「er」をつけます。そして比較対象を「~よりも」という意味の接続詞thanの後ろに起きます。ここで形容詞の比較級は後ろにerをつけると書きました。ほとんどの形容詞はこの方法で問題ありませんが、2音節以上の長い形容詞の場合はerをつけません。代わりに形容詞の前にmoreをつけます。2音節というのはその単語の中に母音が2か所あるということです。例えばfamousという形容詞はfa・mousと2音節ですので、more famousとなります。
では最後の3つ目の表現を見ていきましょう。3つ目は最上級を使った表現で、3人以上を比べて1人が最も背が高いと表現する方法です。例文は、
Taro is the tallest in his class.
で太郎はクラスで一番背が高い、という意味になります。この文の作り方は、もともとのTaro is tall.という文の形容詞tallを最上級にします。形容詞を最上級にするには後ろに「est」をつけます。最上級の注意点としては、定冠詞と呼ばれるtheをつけることを忘れないことです。定冠詞のtheというのは、限定されたものに対してつけるものですが、この場合クラスで最も背が高いのは基本的には1人だけで誰かというのが特定されるわけですね。ですので最上級にはtheをつけると覚えておきましょう。文の最後にin his class(彼のクラスで)やamong his friends(彼の友達の中で)といった範囲を示す表現をつければ最上級の文の完成です。最後にもう一つ注意点です。比較級の時にも説明した音節による最上級の作り方の違いについてです。最上級は形容詞の最後にestをつけて作りますが2音節以上の長い形容詞の場合はestをつけません。代わりに形容詞の前にmostをつけます。2音節というのはその単語の中に母音が2か所あるということです。例えばfamousという形容詞はfa・mousと2音節ですので、most famousとなります。
仮定法
ここでは仮定法について説明します。仮定法というのは「もし~なら、~なのに」という現実的ではないこと、実現する可能性のないことを表すのに使う表現です。例えば私が山の中に住んでいるとします。でももし海の近くに住んでいたら毎日でも泳ぐだろうな、と実現する可能性のないことを考えたとします。こういう時に仮定法を使います。仮定法の文の作り方の基本は、「もし~なら」の文をIfで始める文で作ります。そして「~するのになあ」の文を続けます。
先ほどの海の例では
If I lived near near the sea, I would go swimming every day.
となります。ここでポイントは、動詞の時制です。「もし海の近くに住んでいたら」と今の話をしているのですが、動詞のliveが過去形のlivedになっています。これは「海の近くに住むということは絶対にありえない非現実的な想像」として話していることを示しています。この「もし~なら」の文を「条件節」と呼びます。そして次の「~するのになあ」の文を「帰結節」と呼びます。
帰結節の動詞の時制も確認してみましょう。助動詞willの過去形wouldが使われています。帰結節でも条件節と同様に、非現実的な想像として話していることを示すために、助動詞を過去形にしてあります。このように仮定法というのは現実的ではないことを話す際に、動詞の時制を過去にしてそのことを伝える方法なのです。仮定法には今説明したように今現在を舞台として非現実的な話をすることもあれば、過去を振り返って「もしあの時~だったなら、今頃は~だったのになあ」と表現する方法もあります。前者を仮定法過去と呼び、後者を仮定法過去完了と呼びます。この辺については文法書でじっくりと学んでいってみてください。
分詞構文
いよいよ最後の文法項目になりました。最後は分詞構文です。この項目ほどその名前から内容が想像できない文法用語も他にないと思います。分詞構文とはいったい何なんでしょうか。分詞という用語はこれまで何度か出てきたと思います。そうです現在分詞(ing形)と過去分詞形(walkedやwrittenやgoneなど)です。分詞の項目の中ではこれら分詞が動詞の意味を残したまま、文の中で形容詞として働く、と説明しました。分詞構文は、形容詞としてではなく副詞として働く現象のことを指しています。副詞の項目の説明の中で、「副詞は、動詞・形容詞・他の副詞・文を修飾する語です」と説明しました。分詞構文は、分詞の形でこれらの働きをします。分詞構文の例文の前にまずは次の英文を見てください。
While I was walking to the station, I met an old friend.
駅に向かって歩いている途中に旧友に会った、という意味です。これは
I was walking to the station.
という文と、
I met an old friend.
という文をwhileという接続詞によってつなげています。接続詞というのは2つの文をつなげる働きがあります。また単に文を繋げるだけではなく、理由、原因、様態、時、条件、などの意味を加えることで、その文章全体を副詞としてもう1つの文章全体、あるいは動詞などを修飾する働きがあります。このような接続詞がついて他の文章や動詞などを修飾する文を副詞節と呼びます。少し説明がややこしくなりましたが、ここでもう一度先ほどの例文を見てみましょう。この例文でwhileという接続詞は「~の間」という時間に関する意味を加えています。これによりwhile I was walking to the station.という文全体で、もう一つの文のmetという動詞を修飾しているのです。「つまり私が駅まで歩いている途中に」→「会った」という関係ですね。ここまで副詞節について簡単に説明をしてきました。
では本題の分詞構文について説明します。分詞構文とはいったい何なのか、何のために存在するのか。分詞構文というのは、先ほどの例文の副詞節の文をより簡素な「句」に変える働きがあります。「句」という言葉は初めて出てきましたが、2語以上の語群のことで、文にはなっていないものを指します。例えばon the deskやrunning in the parkなどは句になります。では先ほどの副詞節を句にしてみましょう。まずはWhile I was walking to the stationから接続詞のwhileを除外します。続いて主語が主節(副詞節に対して修飾される側の節を主節と呼びます)の主語と同じことを確認できた上で主語のIを除外します。最後に動詞を分詞に変更します。ここで動詞はwas walkingですが、私が歩いているという能動態の関係(受動態ではない)になっているので現在分詞にしてwalkingとします。最終的な文は、
Walking to the station, I met an old friends.
となり、意味はもともとの副詞節の時と同じで駅に向かって歩いている途中に旧友に会った、となります。ちょっとすっきりしましたよね。これが分詞構文の作り方と目的です。
もう一つ最後に現在分詞(ing形)ではなく過去分詞形の場合の分詞構文を確認しておきましょう。まずはこちらの例文をご覧ください。
Because it is written in simple English, this book is easy to read.
この本は簡単な英語で書かれているので読みやすい、という意味です。BecauseからEnglishまでが副詞節で、副詞節全体で主節のeasyという形容詞を修飾しています。副詞節を作っている接続詞はbecauseで「~なので」という理由の意味を加えています。ではこの副詞節を分詞構文に変えてみましょう。まずは接続詞のbecauseを除外します。続いて副詞節の主語(it)が主節の主語(the book)と同じことを確認します。この副詞節のitはthe bookのことを際しているので主語は同じとなります。確認出来たら主語のitを除外します。最後に動詞を分詞に変更します。副詞節の動詞はis writtenです。これは主語である「その本」は「書かれている」という受動態の関係にあります。このような時は現在分詞のing形ではなく、過去分詞形を使います。最終的な文章は、
Written in simple English, this book is easy to read.
となり、意味はもちろん、この本は簡単な英語で書かれているので読みやすい、となり最初の副詞節の時の意味と同じになります。以上、ここまで分詞構文について説明をしてきました。
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。英語学習を始めて間もない方ややり直し英語で今度こそ絶対習得してやろう、と気持ちを新たに頑張っている方が、文法学習を本格的に始める際に、多くの方がその量や理解のしづらさなどから途中で挫折してしまうのを見てきました。自分が学習した時のことなどを振り返りながら、「本格的に分厚い文法書に取り組む前に、いったん全体の概要を知ることで、途中で挫折してしまうリスクを減らせるのではないか」と思い、今回文法の概要について、単に文法書の抜粋ではなく、文法書には載っていないそれぞれの文法項目や英文法全体に関する考え方やポイントなどを盛り込みながら書きました。どこまで文法項目を掘り下げるべきか、あまり細かくなりすぎると本来の目的の概要を大掴みにすることができなくなるのではないか、など葛藤の中でこの形に落ち着きました。まだ内容や言い回しなど粗いところもありますので、今後も少しずつ修正・加筆などを続ける予定です。みなさんの今後の英語学習の一助になれば幸いです。