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こんにちは。鈴木英語教室の鈴木です。

今回のトピックは、第5文型です。

今日の講座では第5文型の基本的な形からすこし応用した形まで解説していきます。

また、知覚動詞と使役動詞についても解説していきます。

それでは早速始めましょう。

第5文型の形は、主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+補語(C) となります。

補語というのは第2文型でも出てきましたが、「補う語」という意味です。

第5文型における補語は、目的語の情報を補っています。また補語になれる品詞は名詞または形容詞です。この文型で一番大事なポイントは、目的語と補語が「主語」と「述語」の関係になっているという点です。次の例文をご覧ください。

I consider him my best friend.

Iが主語で、considerが動詞で「~と考える」という意味です。himが目的語で、my best friendが補語です。第5文型の文ではOとCが主語と述語の関係にあると説明しました。具体的には「him」が「my best friend」であるという関係になります。つまりこの英文の主語である「I」が、「himがmy best friendである」と「考えている」という文の作りになっています。全体では「私は彼を一番の親友だと考えている。」となります。

では次の例文をご覧ください。

They painted the house white.

Theyが主語でpaintedが動詞で壁や家などに「ペンキを塗る」という意味です。The houseが目的語で、whiteが補語です。OとCの関係が主語と述語ですから、「the houseがwhiteである」という関係です。そしてこの文の主語である「they」がペンキを塗った結果、この主語と述語の関係になった、という文の作りになっています。全体では「彼らは家を白く塗った。」となります。

第5文型に使われる動詞はいろいろありますが、実はおおむね2つの意味に分けることができます。1つ目は「認識する」という意味です。最初の例文の意味は「私は彼を一番の親友だと考えている。」ですが、これを「私は彼を一番の親友だと認識している。」と言い換えても大きく意味は変わりませんね。

そして2つ目は「生み出す」という意味です。

下の例文の意味は、「彼らは家を白く塗った。」ですが、これを「彼らは家が白い状態を生み出した。」と言い換えても意味は何とか通りますよね。このように第5文型というのは、「目的語が補語である状態を認識する」という意味か、「目的語が補語である状態を生み出す」ということを伝えている文だということを頭に入れておくとよいと思います。

では次に、補語が少し分かりづらい応用した形の例文を見てみましょう。

They thought his proposal of value.

Theyが主語で、thoughtがthinkの過去形で「考えた」という意味の動詞です。His proposalが目的語で「彼の提案」という意味です。of valueが補語です。このof valueというのを補語だと判断できるかどうかがポイントとなります。

この「of value」という語は、前置詞プラス名詞で「価値のある」という意味の形容詞の働きをしています。すると、「His proposalはof valueである」という、主語と述語の関係になります。全体では、「彼らは彼の提案は価値があると思った」となります。

もう1つ例文を見てみましょう。

I keep my car in good condition.

Iが主語で、keepが「保つ」とか「維持する」という意味の動詞です。My carが目的語で、in good conditionが前置詞プラス名詞で「よい状態の」という意味の形容詞の働きをしていて、この文では補語になっています。ここでも「my carがin good conditionである」という主語と述語の関係が見抜けるかどうかがポイントとなります。

全体では、「私は私の車をよい状態に保つ」となります。

ここで第5文型の見極め方のヒントを1つご紹介します。ここまでの例文をもう一度ご覧ください。

I consider him my best friend.

They painted the house white.

They thought his proposal of value.

I keep my car in good condition.

第5文型においては、目的語と補語が主語と述語の関係にあると解説しました。そこで一部目的語の形を調整したうえで、目的語と補語の間にbe動詞を補ってみたいと思います。すると上から

He is my best friend.

The house is white.

His proposal is of value.

My car is in good condition.

いかがですか。第2文型のSVCの構造と同じになりましたよね。このようにbe動詞を補うことで第5文型を見抜くというのは1つの方法ですので、是非参考にしてみてください。

では、ここから、もう少し第5文型の例文をご紹介します。

They named the child Taro.

Nameという動詞はここでは「OをCと名づける」という意味です。

We elected him chair.

Electという動詞はここでは「OをCに選ぶ」という意味です。Chairという単語はここでは議長という意味になります。

He left the door open.

LeftはLeaveという動詞の過去形です。ここでは「OをCのままにしておく」という意味です。

I found the bed comfortable.

Foundはfindという動詞の過去形です。ここでは「OがCと分かる」という意味です。

全体の意味は、上から

彼らはその子供を太郎と名づけた。

私たちは彼を議長に選んだ。

彼はドアを開けたままにした

そのベッドは快適だと分かった

となります。

上の例文2つの補語は名詞です。そして下の例文2つの補語は形容詞です。

ここで目的語と補語の間にbe動詞を補ってみてください。第2文型のSVCの関係が成り立ちますよね。また、動詞を「認識する」あるいは「生み出す」のどちらか合いそうな方に置き換えてみてください。もともとの意味と「当たらずも遠からず」ですよね。これが第5文型の特徴です。

では今度は、第5文型を学習する上で必ず押さえておくべき動詞のグループを2つご紹介します。それは「知覚動詞」と「使役動詞」です。

まずは知覚動詞から解説します。次の例文をご覧ください。

I heard a dog barking.

Iが主語で、heardは「~が聞こえる」という意味のhearという動詞の過去形です。A dogが目的語で、barkingが補語です。

全体では、「犬がほえているのが聞こえた」という意味です。

このheardというのが「知覚動詞」と呼ばれる動詞です。知覚動詞というのは、見る、聞く、感じる、など人間の五感に関する動詞を指します。知覚動詞を使った文の特徴は、補語に動詞の形のバリエーションが入ることが多い点です。この文の補語はbarkingですが、これはbarkという「吠える」という意味の動詞にingが付いた形です。

ではもう1つ知覚動詞を使った例文をご覧ください。

I saw a man walk across the street.

Iが主語で、sawは「~が見える」という意味のseeという動詞の過去形です。A manが目的語でwalk以下が補語です。

全体では、「1人の男の人が通りを歩いて横切るのが見えた」という意味です。この例文でも補語に、動詞の形のバリエーションが入っています。Walkというのは「歩く」という意味の動詞の原形です。今回の例文では補語に、動詞のing形が入る文と、動詞の原形が入る文を紹介しましたが、他にも動詞の前にtoを付けた形や動詞の過去分詞形が入ることがあります。文法用語で示すと、動詞の原形と動詞の前にtoを付けた形を「不定詞」と呼びます。より厳密に呼び分けると、原形の方を「原形不定詞」でtoを付けた方を「to不定詞」と呼びます。

また動詞にingを付けた形を現在分詞形と呼び、動詞の過去分詞形とあわせて「分詞」と呼びます。分詞には「現在分詞形」と「過去分詞形」がある、という構造です。

今日の講座の始めの方で、補語になれる品詞は名詞または形容詞だと説明しました。今回の例文に出てきた「不定詞」や「分詞」は英文法上は形容詞としての扱いになりますが、これらの不定詞や分詞が補語になっているということが掴めていれば十分です。

ここでもう一度2つの例文をご覧ください。

I heard a dog barking.

I saw a man walk across the street.

第5文型では、目的語と補語が主語と述語の関係になっていると解説しましたが、それは知覚動詞を使った文においても同様です。

上の例文の目的語と補語にbe動詞を補ってみると、

A dog is barking.となって主語と述語の関係になります。1匹の犬がほえている、という関係ですね。

下の例文では、補語が原形不定詞なのでbe動詞は補えませんが、主語に合わせて3単元のsを補うと

A man walks across the street.となって、1人の男の人が通りを横切って歩く、と主語と述語の関係になっています。知覚動詞を使った第5文型の英文においては、補語に不定詞や分詞が来た時に、それが補語なんだということに気付けるかどうかが正しく英語を読み解くカギとなります。

ここで、主な知覚動詞をご紹介します。

See(を見る)

Watch(を見る)

Hear(を聞く)

Feel(を感じる)

Observe(に気づく)

Notice(に気づく)

ではこれらの動詞を例文でみてみましょう。

I saw him walk across the street. 彼が通りを横切るのが見えた

I watched her go out of the room. 彼女が部屋を出るのを見た

I heard a dog barking. 犬がほえているのが聞こえた

I felt my heart beat faster. 心臓の鼓動が速くなるのを感じた

I observed the man entering the house. その男がその家に入るのを目撃した

I noticed her enter the room. 彼女が部屋に入るのに気がついた。

それぞれ目的語と補語はこのようになっています。

ここで1つ覚えておきたいポイントがあります。先ほど、知覚動詞を使った第5文型の補語には不定詞や分詞がくることが多い、と解説しました。今回の例文では、walk, go, beat, enterが原形不定詞で、barking, enteringが現在分詞形です。実は補語に原形不定詞を置くことができる動詞は限られています。今回ご紹介したこれら6つの知覚動詞は全て補語に原形不定詞を取ることができますので、是非覚えておいてください。

また、第5文型における動詞の意味は「認識する」または「生み出す」のどちらかに分類できると解説しましたが、知覚動詞については全て「認識する」と訳しても大きく意味は変わらないことが確認できると思います。

ではここからは使役動詞について解説します。

使役動詞については次の5つが必須になります。

Make、Have、Let、Get、Help

1つずつ例文で見ていきましょう。

まずはmakeを使った例文です。

I made him clean the room.

Iが主語でmadeが動詞で「~させる」という意味です。Himが目的語で、clean the roomが補語です。全体では、彼に部屋を掃除させた、という意味です。使役動詞というのは、このように「~させる」という意味をもつ動詞のことを指します。

続いてhaveを使った例文です。

I had a repairman fix the air conditioner.

Iが主語で、hadが使役動詞です。A repairmanが目的語で、fix the air conditionerが補語です。全体では、修理屋にエアコンを修理してもらった、という意味です。

続いてletを使った例文です。

My father let me use his computer.

My fatherが主語で、letが使役動詞です。Meが目的語で、use his computerが補語です。全体では、父は私に自分のパソコンを使わせてくれた、という意味です。

Make, have, letのどれも「~させる」という使役の意味がありますが、ニュアンスがそれぞれ異なります。Makeは、「無理にでも~させる」という「強制」を表します。

それに対してHaveは、「~してもらうようにもっていく」という「手はず」を表します。この例文でもあるように、何かを誰かに修理してもらったり、床屋で髪を切ってもらったり、といった感じです。

またletは、「自由に~させておく」という「容認」を表します。

これらの3つの動詞はどれも補語に原形不定詞を取れるのが特徴です。

では続いてgetを使った例文です。

I got him to stop smoking.

Iが主語で、gotがgetの過去形で使役動詞です。Himが目的語で、to stop smokingが補語です。全体では、私は彼にタバコを止めさせた、という意味です。

先ほどの3つの使役動詞と異なり、getは補語に原形不定詞は取れず、例文のようにto不定詞を取りますので、注意が必要です。使役のニュアンスとしては、haveに近いと考えておけばよいと思います。

最後はhelpを使った例文です。

He helped me to change a tire.

Heが主語で、helpedが使役動詞です。Meが目的語でto change以下が補語です。全体では、彼はタイヤの交換を手伝ってくれた、という意味です。helpは「人が~するのを助ける」という意味で若干使役のイメージと違いますが、これも使役動詞のくくりに入ります。この例文では補語にto不定詞を取っていますが、実はhelpという動詞は、補語に原形不定詞も取れます。つまり

He helped me change a tire.という形も正しい英文です。意味はどちらも同じになります。是非覚えておきましょう。

使役動詞についての解説は以上となりますが、使役動詞を使った第5文型の文も、他の第5文型の特徴をすべて備えています。つまり目的語と補語が主語と述語の関係になっていますし、動詞の意味は、「認識する」と「生み出す」のどちらかの意味になっています。使役動詞の場合はどれも「生み出す」の方になります。

最後に、更に一歩踏み込んだ文法について解説したいと思います。

次の例文をご覧ください。

I saw a man walk across the street.

I saw a man walking across the street.

どちらもSVOCの第5文型の文で、1人の男の人が通りを横切るのを見た、という意味です。但しよく見ると、補語が少し違っています。上の例文では補語に原形不定詞walkが来ていますが、下の例文では、補語が現在分詞形のwalkingが来ています。

実はこの2つの文は意味合いが少し異なります。

上の原形不定詞の文は、男の人が通りを渡り切ったところまで見ていたことを示しています。それに対して下の現在分詞形の文は、男の人が通りを渡っているところを見た、ということを示しています。つまりその男の人がそのまま通りを渡り切ったのか、はたまた、やっぱり渡るのをやめて戻っていったのかはこの文からでは分からないのです。ここまで違いがつかめるようになれば、第5文型もかなり理解が深まったと言えますね。

続いて、もう1つ例文をご覧ください。

I had the man repair the air conditioner.

I had the air conditioner repaired.

どちらもSVOCの第5文型です。

上の文は目的語がthe manで補語がrepair the air conditionerです。その男の人にエアコンを修理してもらった、という意味です。

下の文は、目的語がthe air conditionerで補語がrepairedです。エアコンを修理してもらった、という意味です。

上の文は補語に原形不定詞のrepairが来ています。

それに対して下の文は補語に過去分詞形のrepairedが来ています。

上の文は修理した人が目的語になっているので、誰が修理したのかが分かりますが、下の文では、修理されたものが目的語に来ていますので、誰が修理したのかは分かりません。

第5文型における目的語と補語は、主語と述語の関係になっていましたね。そこで目的語と補語の間にbe動詞を補ってその関係を確認したいと思います。

ただし、上の例文では、補語が原形不定詞のためbe動詞を補えません。そこで、主語に合わせて3単元のsだけ補うと

The man repairs the air conditioner.となり、その男の人がそのエアコンを直す、という主語と述語の関係が明確になりました。

続いて下の文の目的語と補語の間にbe動詞を補ってみると

The air conditioner is repaired.となり、そのエアコンは修理された、という主語と述語の関係が明確になりました。ここでのポイントは、下の文では「~される」という受け身の関係になっているという点です。つまり第5文型の補語に動詞の過去分詞形が来た時は、このように「目的語が~された」という受け身の関係になっている、ということがポイントになります。

以上、ここまで第5文型の基本的な形から始まり、補語が前置詞プラス名詞の形など、すこし文型が捉えづらい例文まで解説してきました。また、知覚動詞と使役動詞についても特に重要なポイントを解説してきました。第5文型は、5文型の中でも構文が取りづらく、第5文型と気づけずに誤った読み方をしてしまうリスクが高い文型だと思います。

しかし、第5文型で使われる主な動詞や、第5文型の特徴をあらかじめ学習しておくことで、「あれ、この動詞が使われているということは、もしかしたら第5文型の可能性があるな」とあらかじめアンテナを立てて読むことができるようになると思います。今回の動画では、第5文型を学習するにあたり、必ず知っておきたい基本的な情報は全て盛り込みましたので、是非参考にしていただきながら、別途、文法書や問題集、実際の読解などを通して知識を確実なものにしていっていただけたらと思います。

今回の講座が皆様の学習の参考になれば幸いです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

また次回の講座でお会いしましょう。